Liam-PDCAサイクルへの取り組み

学習項目分析評価法 Learning Item Analysis Method

従来からレーダーチャートなどで、どのような学習項目を復習すべきかなどの指標を与える優れた方法はありますが、わたしたちICTDAは、独自の学習項目分析評価法(Liam)を開発し、高校生向け「数検スコア診断」、大学生向け「数的ロジック診断」、一般社会人向けの「デジタル信号処理講習」、技術者向けの「英語による基礎数学力診断(GSBM)」など、学ぶ生徒に対して、その学習項目の達成度を分析し、それを基に生徒の教育環境を考慮し、先生がPDCAサイクルによる学習を負担なく実施することができるよう支援しております。

▣診断により、先生や生徒が復習の指針や学習の達成度を把握することができます。
▣先生のアドバイスにより、今後の学習に適切、効率的に臨むことが可能となります。
▣診断を採用する授業では、個々の試験結果と分析結果を得ることができます。
▣先生の目標到達点に対して生徒の学習達成度の状況を判断することができます。
▣先生によるPDCAサイクルによる授業が負担なく容易に行うことができます。

PDCAによる学習支援にまで踏み込んでいることが、この授業改善を目的にした学習プログラムの大きな特徴です。

授業開始前のお打合せで必要な情報提供をいただくことで、PC、タブレット、スマホで指定日時の任意の時間帯で診断することができます。いつでも、どこでも診断できます。診断内容を詳細に分析し、全体の評価と合わせて生徒が復習すべき項目を先生と生徒にフィードバックします。授業終了まで個々の生徒の学習達成度の分析と授業の補足が必要かどうかの情報が先生へ提供されます。このような仕組みを使うことによって、授業改善、学力質保証の仕組みをそれぞれの教育機関で固有に構築できます。
生徒がオンライン、オフライン問わず 「いつでも、どこでも、手軽に教育を受けられる」 機能を備えたEdtechによる学習支援プログラムです。

授業改善
先生の授業プランに沿って分析診断。授業改善を行いながらPDCAサイクルを進めます。

先生の負荷は授業開始時前にWeb上で短時間の打ち合わせ。先生は通常授業を行っていただきます。例えば、2週間に1回程度、生徒の学習達成度の詳細な情報を先生へ提供させていただきます。必要に応じて授業の簡単な補足資料を提供することでPDCAサイクルが動き出します。

比較と取り組み

学習支援用として利用されているテスト等の結果により当該テストより上のレベルあるいは下のレベルの問題が選べる便利な試験システムがあります。これは、すべての問題に対して、大体30問あるいはそれ以上の問題が、難易度ごとに分けられて用意され、受験者の状況によって異なる問題でチェックすることにより、当該生徒に適した教材を配布するというものです。この場合、先生は単なる仲介者(テストの実施、適当なプリントの配布)になります。忙しい指導者には適しているかもしれませんが、一方、文科省などが強く求めている授業クラスの活性化を目指すためには、先生が指導的立場で授業改善に取り組みクラスを活性化することが必要となります。

ICTDAが取り組むPDCA授業支援クラウド(Liam-PDCA)

先生の意向を授業に100%反映することを目的としています。そのために、はじめに先生の授業プランに沿った学習項目を選定し、生徒は学習項目別の分析テストを受検します。分析の結果によって、対象項目の復習教材の提供や学期末分析テストの分析結果と連動して生徒個々の進捗度合いやクラスの進捗度を診断し、次の授業プランへ反映することで、先生の目的とする授業プランに沿ったPDCAサイクルをまわすことを目的としています。
また、PDCA授業支援クラウドと産学連携学習素材を、わたしたちICTDAが提供します。同時に、授業を担当される先生方をサポートして学校オリジナル教材の制作をおこないます。

生徒の学習達成度等の分析・評価診断は、先生が私的に行うと非常に時間がかかるため、授業運営上ほとんど不可能と思われます。しかし、先生の意向をほぼ100%組み入れた分析・評価診断作業をICTDAが行うことで、その結果が先生方に提供されます。先生方は必要に応じて授業改善ができるPDCA型授業を通常授業とほとんど変わらない状態で診断を可能にします。

実際に、某校の高度な専門科目でこのシステムによるモニター授業を行った結果、先生から、このシステムを使うための授業前の打ち合わせ(WEB上で行う)も短時間で、ICTDA側からの問い合わせシートに授業内容に関する難易度等について簡単な数値を記入する作業(通常30分程度)を行うことで従来通りの授業を展開できると高評価をいただきました。

分析・評価診断

学習項目分析評価の設定(その1)
1)達成項目や達成度を目的とした分析診断テストの問題を作成します。

※ある学習単元の授業において、生徒が習得すべき学習項目の達成点を先生が設定し、それに基づき「診断」の問題を作成します。
2)その「診断」の問題に対応する学習要素の数値化テーブルの設定をします。


※上記の表の中の数値は各問題が左の5項目にどの程度寄与しているかを示す数値です。ここでは0~1の範囲で示しましたが、先生が独自に決めることができます。例えば問題(1)は、分数少数の計算が0.5、速さが0.8、いろいろな単位が0.2と与えられています。これらの値は、先生の考える力点の置き方などにより種々変わることがあります。

学習項目分析評価の設定(その2)
各項目に対する学習項目達成度が、40%以下の生徒に要復習のコメントを出す例です。これらは自由に設定することができます。

※上記の結果から、次のようなコメントを示すことができます。
生徒Aは、特に復習を要しない。十分理解しています。
生徒Bは、速さに関して復習する必要があります。
生徒Cは、特に復習を要しない。よく理解しています。
生徒Dは、「割合」と「比の性質」について十分復習する必要があります。
生徒Eは、「分数少数の計算」、「割合」、「比の性質」について十分復習する必要があります。

評価表 

個人分析評価表
生徒の総合点、絶対評価、相対評価、および、総合コメントを表示しています。項目別には、評価得点や詳細なコメント、項目別に適用する復習学習(学習項目分析)の内容も診断と比較してその進捗度を分析しています。

クラス全体分析評価表【第1段階評価】
クラス全体における詳細な分析評価や対象コメントを提供しています。同時にPDCAサイクルに適用するよう考慮しています。

クラス全体分析評価表【第2段階評価】
先生が目標としている生徒の学習項目達成度に対して、実施した授業内容や補助教材の利用がどれほど目標値に近づいているかを分析しています。先生の授業に対するウエイト、生徒の学習項目別の達成度を分析し、数値化、グラフ化による見える化を実現しました。そのことから先生が授業における学習項目の難易度等を考慮して教育内容や教育方法にウエイトをかけることができます。
PDCAサイクルを実現できるように、分析診断データを見える化しています。このようなPDCAサイクルを経過しながら進行しますが、この過程で授業担当の先生は、わたしたち協会から提供される診断の詳細情報によって先生ご自身の授業改善、個々の生徒の状況把握が可能になります。先生は従来の授業を行うことで基本となる学習要素などの重要な分析情報を得ることができます。一定期間毎にPDCAのP(計画)を修正すべきかどうかの判断は必要になりますが、その必要な情報が事前に得られていますから修正には大きな負荷にはならないよう配慮しています。

【評価】不得手の項目があり、平均性がない。総合評価:50%

【評価】不得手の項目があるが、やや平均性がある。総合評価:67%

【評価】不得手の項目は0です。総合評価:100%

 

 

 

 

クラス全体分析評価【第3段階評価】
先生は生徒に必要と定めた項目すべてについてある一定レベル以上の理解度を求めています。オレンジの折れ線がある程度一定であれば、そのレベルが[1/(項目数)^0.5]の生徒の理解度は高いと考えられます。それを目標として、先生は学習項目の難易度等を考慮して、教育内容あるいは学習方法にウエイトをかけます。下のグラフは、ある程度、先生の授業の方法が良い結果を上げている例になります。
※学習達成度=正規化学習達成度/(√項目数)により求めた。達成度目標値と次元、オーダーを合わせる操作

導入メリット

▣見える化 先生の授業プランに沿った学習項目を入れることで、先生独自の授業内容とその結果を学習項目分析診断表として見える化できます。
▣クラスの達成度アップ 学習分析結果を自らの授業に反映させることで、生徒への復習支援やクラス全体の学習達成度アップに適用することができます。
▣問題作成の軽減 診断項目は、自らの作成した問題や産学連携で提供されている診断問題を活用できますので問題作成の負担が軽減します。
▣EdTechの導入 診断や分析方法は、PCやスマホ、タブレットを利用したWeb診断が利用できますので、さらに先生の負担が軽減します。

公益社団法人日本工学教育協会

この学習項目分析評価法(Liam)については、日本工学教育協会の論文誌11月号(12月中旬発刊予定)に掲載。
公益社団法人日本工学教育協会